PLリスト対応の合成樹脂:PTFE、PVDF、PFA、PP、PVCの特性と用途

Introduction


プロセス接液部とは、液体や粉体などの測定対象と直接接触する部分を指します。この部分の素材選定は、測定の精度や耐久性に大きく影響するため非常に重要です。特に食品や医薬品、化学薬品の分野では、接液部素材の安全性が求められます。


厚生労働省は「まずは合成樹脂を対象としてポジティブリスト制度を導入する」として、安全性が確認された素材のみを使用するよう推奨しています。PL(Positive List)とは、食品や医薬品などに使用される材料のうち、安全性が確認され、使用が認められている物質のリストのことを指します。


本記事では、PLに含まれる代表的な合成樹脂素材とその主な用途、測定対象について詳しく解説します。

参考資料  厚労省:ポリオレフィン等衛生協議会、塩ビ食品衛生協議会、塩化ビニリデン衛生協議会 ポジティブリスト(概要)[PDF形式:37KB]

FAQ


PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、テフロン)はPLに含まれていますか?


はい、含まれています。食品加工機器のコーティングなどに使用されています。

プロセス接液部としての特徴:非粘着性と優れた耐薬品性を持ち、腐食性の液体にも対応できます。

主な産業用途:食品加工、化学薬品製造、医薬品製造。

主な測定対象:酸、アルカリ、溶剤。


PVDF(ポリフッ化ビニリデン)はPLに含まれていますか?


はい、含まれています。耐薬品性に優れており、食品関連機器にも使用されています。

プロセス接液部としての特徴:高い耐熱性と耐薬品性があり、クリーンな環境での使用に適しています。

主な産業用途:化学薬品製造、半導体製造、医薬品製造。

主な測定対象:高純度化学薬品、製造プロセス液体。


PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)はPLに含まれていますか?


はい、含まれています。PTFEと同様に耐薬品性が高く、食品産業で使用されています。

プロセス接液部としての特徴:高温環境下でも安定した性能を発揮します。

主な産業用途:食品加工、化学プロセス、高温製造プロセス。

主な測定対象:高温化学プロセス液体、食品加工液体。


PP(ポリプロピレン)はPLに含まれていますか?


はい、含まれています。食品容器や包装材として広く使用されています。

プロセス接液部としての特徴:コスト効率が良く、化学薬品に対する耐性があります。

主な産業用途:食品、飲料、化学薬品。

主な測定対象:生活用液体、工業用液体。


PVC(ポリ塩化ビニル)はPLに含まれていますか?


はい、含まれていますが、可塑剤の種類によっては使用が制限される場合があります。

プロセス接液部としての特徴:広範な化学薬品に対する耐性がありますが、特定の環境条件で劣化することがあります。

主な産業用途:水処理、廃水処理、化学薬品製造。

主な測定対象:低濃度の化学薬品、工業プロセス液体。


Conclusion


プロセス接液部の素材選定は、使用環境や測定対象に応じて慎重に行う必要があります。


厚生労働省の「まずは合成樹脂を対象としてポジティブリスト制度を導入する」という方針のもと、PLに含まれる素材は、安全性と信頼性が確保されています。


PTFE、PVDF、PFA、PP、PVCなどの代表的な合成樹脂素材は、それぞれの特性を活かして最適な用途で利用されています。適切な素材選びが、正確で安定した測定結果をもたらし、プロセスの効率化と安全性の向上に寄与します。

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